引越しの理由

1年前に引越しをした。そして先々月にまた引越しをした。
結婚3年。子供なしの夫と2人ぐらし。
引越しはお金がかかる上に片づけやら手続きやらで非常に面倒なので、なるべくしたくはない。
それでも1年で前の家を出てきてしまったのは「理由」があったから。

そもそも1年前に引越したのは、それまで住んでいた家賃月14万のマンションは高すぎたため。
とにかく安い部屋を、ということで見つけたのが横浜市内のある部屋。
3DK・70平方メートルで家賃8万。
都心へのアクセスも良く、同じ広さで周辺の相場が10万程度であるのに比べると非常に安い。
「広い・安い」にとびついてその場で入居を決めた。

ところが、入居してまず気になったのがなんとなく部屋の中が「暗い」こと。
南向きなのに昼間でもなんとなく薄暗くてよどんでいる。
それでも大したことではないと思った。
しかし、引越しを境に妙に悪いことばかり立て続けに起こった。
旅行先での交通事故、夫が仕事のミスで減給処分、私の持病が悪化して緊急入院など。
その他細かいことがいろいろあった。

今年に入って、夫が再び交通事故を起こしたとき、
「この部屋に何かあるのではないか。」と夫が言い出した。
確かに、良くないことがあまりに集中して起こった。
私も夫も霊やお化けなど信じない方だが、さすがに気味悪くなった。
家賃が妙に安いのも今さら気になった。

ネットで調べてみると、世の中には「事故物件」という物件があるそうだ。
事故物件とは、事件があった場所など、過去に「何か」があった部屋だ。
本当かどうかわからないが、そうしたいわくつきの部屋に住んでいると
霊が出るとか不運なことが起こるとかいう話もある。

サイトの中には、地図から自分が住んでいる場所を選び、
事故物件に登録されているかどうか調べられるサイトもある。
もちろん、事件があった部屋すべてが登録されているわけではないだろう。
それに「事故物件だから必ず何かある」というわけではないだろうし気にしない人もいる。

ただし、やはり借り手が少ないために家賃が非常に安くなる場合が多いようだ。
私達が住んでいるところは事故物件には載っていなかった。
だが理屈で説明できない「不吉な予感」がして、とにかく早く引っ越そうということになった。
住み続けてさらに悪いことが起こる不安があったからだ。

ネットでいろいろ見ていると、部屋探しでは「第一印象が明るいこと」が大事なのだそうだ。
なんとなく空気がよどんでいる、湿った感じの部屋は避けた方がいいらしい。
もしかして成仏できない霊が住みついているのかもしれないし、
単に湿気が多くてカビが生え健康に悪く心も暗くなるのかもしれない。
物件を探すとき、家賃や部屋の広さなどとにかく条件にこだわりがちだが、
それよりも部屋に入って最初に感じる「雰囲気」が重要なのだそうだ。

私たちが新居に引っ越して数ヶ月、今のところ悪いことは起こっていない。
日当たりのいい明るい部屋に引っ越して、
気分的にもなんとなく不幸の連鎖から脱出したような心の軽さがある。
前の部屋は一体何だったのか、今でも思い出すとモヤモヤする。